Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

2020-12-02から1日間の記事一覧

袁世凱の遺産 『偉大なる道』第3巻①ー16

1916年に樹立された北京政権から生まれ出てくるもののうち、彼が目にすることができたなかで、希望がもてる唯一のものは、蔡鍔将軍が四川督軍になったことだった。しかし、蔡は死にかけている人だった。袁世凱の死の翌日、6月7日に、蔡は朱に、敵の要塞濾州…

袁世凱の死 『偉大なる道』第3巻①ー15

「6月までに、われわれは四川の袁軍を撃破してしまい、中国全土は反抗して立ち上がった。6月6日のことだが、孫炳文と私が納渓の司令部ではたらいていたときに、袁世凱が北京でたった今死んだという電報が入った。私は何人もの部下を外に送って、その知らせを…

断末魔の袁世凱 『偉大なる道』第3巻①ー14

この四川戦争では、袁世凱は数かぎりない術策で思うがままもてあそんだ、と朱将軍はいう。2月に、彼は即位式をのばしたが、それで革命の蔓延を食いとめられるだろうと考えたのだ。3月初旬、全国の共和派が軍を集めつつあったときに、袁世凱は北京で手を打っ…

雲南軍と朱徳の名声 『偉大なる道』第3巻①ー13

諸戦の3日間のあとの再編成の期間に、朱将軍は揚子江以南の全地域を確保せよとの命令をうけ、のこりの護国軍は大江をわたって、北岸の敵の本拠地に攻撃を加えることになった。袁世凱軍の一部はもはや動揺しはじめていたが、その中には、のちに「クリスチャン…

朱徳、准将に昇進 『偉大なる道』第3巻①ー12

「われわれは、この反帝制戦争のときに、はじめて農民のあいだに民衆工作をおこなった」と朱将軍はいった。「農民たちは、哥老会にひきいられて、武装してたちあがり、敵の輸送線を攻撃し、われわれに糧食弾薬をはこんできてくれた。舟乗りたちは、われわれ…

袁世凱打倒をめざし護国軍蜂起 『偉大なる道』第3巻①ー11

朱徳が若い妻の顔を見るのは、夜もおそく、参謀会議をおえてからか、四川遠征に加わる彼の第十連隊の準備を大急ぎでおえて帰ってからだった。雲南府にきてから3日目の夜明けには、護国軍の八個連隊は、南四川に向かって行進していた。彼の第十連隊は、国境…

蔡鍔の再起と護国軍 『偉大なる道』第3巻①ー10

「死にかけてはいたが、精神は昔ながらに剣のようにするどくはたらいた。われわれがすわると、彼は全国各地での蜂起計画について説明したが、雲南は、他の諸省で共和派の軍が組織されるまでの重荷をになう必要があるとつけ加えた。3日後には、袁の最強の軍の…

蔡鍔の指令 『偉大なる道』第3巻①ー9

指令とは、蔡鍔は12月25日の明け方に、雲南府地域の諸軍を反乱させ、共和制への忠誠の誓いを立て、国民が蜂起して袁世凱を打倒するように呼びかける、ということで、蒙自その他の主要都市の共和派も同時に同一行動にでよという内容だった。蒙自の部隊は汽車…

梁啓超と蔡鍔の北京脱出 『偉大なる道』第3巻①ー8

蔡の北京脱出は、この上ないぐらい劇的だった。2年間、昼となく夜となくつけまわした袁の秘密警察をまいて、天津にのがれ、日本行きの船に乗った。日本で亡命していた国民党の指導者たちと相談したうえ、インドシナに渡り、さらにフランス鉄路によってひそか…