Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

2020-12-05から1日間の記事一覧

上海の労働者の悲惨な姿 『偉大なる道』第4巻①ー4

外国人であれ中国人であれ、工場主や職場長たちは、手に鞭をもって工場内を歩きまわり、のろのろと働いているものや、機械相手の過労で居眠りしているものを見ると、容赦なくむちうった、という事実を朱将軍は強調した。1927年ごろまで、労働者が殺された、…

香港労働者の勝利の影響 『偉大なる道』第4巻①ー3

朱将軍が、中国全土を熱狂の火でつつんだ、中国人による外国の帝国主義に対する最初の勝利について語ったとき、声はふるえていた。広東の孫逸仙政府はストライキ基金として20万ドルを送り、多くの中国人の将軍たちも巨額の金を出し、全国の労働者もわずかば…

英領香港のストライキ(1922年) 『偉大なる道』第4巻①ー2

朱徳は病院に1週間入院して、退院すると、旧同盟会員で雲南から亡命してきていた友人のところにゆき、そこにさらに1週間いて、そのあいだに、夢みたいな話ばかりきかされていた、この上海市のあちこちを見物した。 入院中は、友人が本や新聞を持ってきたの…

上海で不眠症の治療 『偉大なる道』第4巻①ー1

朱将軍は、ヨーロッパに向けて出発する前にやろうと決めたことが3つあった。揚子江を上海へとくだっていくあいだに思いついたものだが、そういうふうに、彼は、生涯を通じて、あらかじめ十分に計画を練ってことをおこなうという習慣をもっていた。 1つ目は、…

『偉大なる道』第3巻「災厄と禍害」を読んで

蔡鍔(さいがく)がいなかったら、「中国の歴史の流れは、非常にちがったものになっていたであろう」という著者スメドレーの述懐がやっとわかってきた。 30代の若さで、結核治療のためにむかった日本の九州大学医学部附属病院で亡くなっている。 同じ中国…

楊森と劉湘の前で留学の決意表明 『偉大なる道』第3巻④ー11

朱徳が予期していたように、楊森は、彼を幕僚として迎えようとし、この36歳の敗戦の将軍が財産も先の見通しもないのに、どうしてそれを拒んだのか、納得できなかった。 「どうして拒んだのですか」と私も朱将軍にたずねた。「私はそれほど老いぼれても堕落し…

楊森と劉湘による酒宴 『偉大なる道』第3巻④ー10

1922年の6月のはじめ竜舟の祭のとき、朱将軍の舟は重慶につき、楊森将軍は、武装の護衛兵のあいだから踏み出してきて、まるでふたりの友情には影がさしたことなんて少しもなかったように、あふれるばかりの感情をみせて挨拶した。劉湘将軍も成都からきて、秘…

軍閥楊森からの誘い 『偉大なる道』第3巻④ー9

雅州地方に入ってから、一行は真東に向かって、四川におりていった。彼は、この雅州においてアヘンとの決別をした。そのころの朝晩、彼は、アヘン中毒をなおすために数ヵ月前に買った広東の薬草を煎じて飲んでいた。彼はその飲み物の効果を信じてすがるよう…

土匪レイ・ユン・フィとの友情 『偉大なる道』第3巻④ー8

「彼と私は友人になり、何時間も中国の現状について話しあったりした。するどい理解力をもった男で、私に数かぎりないほど質問をあびせかけ、また私にむかって、「この土地にとどまって相談相手になって指導してほしい」とせがんだ。私が留学の決意をはなす…

土匪レイ・ユン・フィへの同情 『偉大なる道』第3巻④ー7

朱将軍は、レイ・ユン・フィを深く同情しながら語った。彼がいうには、この男はかつて貧農だった。すべての貧農がそうであったように、彼もまた文盲であり、彼の教養といえば「百八人の英雄」すなわち『水滸伝』のような圧政への反抗の昔物語などによって形…

土匪の首領から救いの手 『偉大なる道』第3巻④ー6

2日後に亡命者たちは、北方からこちらに乗りつけてくる騎馬の一隊を見たが、そのなかに仲間の顔も見えた。こちらは馬からおりて待ち受けた。騎馬隊は近づいてきて、そのなかで短身で屈強な、三十代と思われる男が、きびきびとした威勢のいい動作で馬からおり…

山岳地帯での人狩りを逃れて 『偉大なる道』第3巻④ー5 

長年の同志と別れたあと、朱将軍の一行は、北雲南の深い山岳地帯を強行軍した。羅将軍は、保護を求めた際に、北方組のとった道を教えた。ホァ・フェン・クォは、騎兵大隊に追跡させ、また多額の賞金をかけて捕らえようとした。 おそるべき人狩りがはじまった…

二手に分かれた亡命者たち 『偉大なる道』第3巻④ー4

この逃亡者の一団が、強行軍してある村に着いたとき、楚雄の守備隊長ホァ・フェン・クォが旧主である「小王」への忠誠を宣言したところだと聞かされた。 羅偑金将軍は、その知らせを一笑に付した。ホァ・フェン・クォは、かつて自分の下で働いた旧友だといっ…

雲南府争奪戦 『偉大なる道』第3巻④ー3

1921年5月には、孫逸仙博士は、またもや朱に逡巡の口実をあたえた。というのは、孫博士の召集によって、共和国非常国会が広東でひらかれ、新しく南方国民政府を創設し、孫博士を大総統に推した。孫博士は、強烈な声明を発表して、新政府は軍閥を根こそぎにし…

外遊への決意 『偉大なる道』第3巻④ー2

ここにあるすばらしい建物、広い街路、新しい学校は、若くして亡くなったあの指導者の力によって建設されたものであり、あのあたりには、自分の若い妻の学校があり、日曜には、ふたりで散歩しながら、新しい、平和な、進歩的な未来の中国について語りあった…

雲南府で狐疑逡巡の日々 『偉大なる道』第3巻④ー1

1921年が明けるとすぐに、護軍は雲南に向かって殺到し、ほんの数発を交えたぐらいで首府雲南府を占領し、全省を掌握した。多くの市を支配するたくさんの官吏や将軍たちは、時をかせぐために、転身して新政権に忠誠を誓ったが、「小王」唐継堯は、つかめるか…