Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

2020-12-09から1日間の記事一覧

全軍崩壊寸前から見出した希望 『偉大なる道』第6巻③ー4

「私は、全軍が崩壊してしまうのではないか、と心配した」遠くすぎさった光景を思いおこすように、朱将軍は語りつづけた。やっと、この大量逃亡はしだいに小きざみになり、そして、ついに終わった。あとに残ったものは、およそ9百人足らずだった。みな汚くよ…

敗北主義者との決別 『偉大なる道』第6巻③ー3

朱将軍は敗北主義者を納得させることはできず、彼らはいぜんとして、ひそかに軍紀をみだすたくらみをつづけた。しかし、朱将軍は、その後の20年間、中国の歴史をきずきあげた多くの若い将校たちからは支持されていた。たとえば、林彪、陳毅、チョー・ツェー…

敗北主義者への反論と覚悟 『偉大なる道』第6巻③ー2

「これに対して、私はこう答えた」と朱将軍はいった。「諸君の反革命に対する分析は正しい。だが、諸君の結論はまったくまちがっている。だから諸君の主張を承認することは、革命に対する反逆にほかならない。反革命勢力になんらかのつながりをもつ数少ない…

敗北主義者とのたえまない議論 『偉大なる道』第6巻③ー1

この小さな革命軍が、福建、江西、広東三省の省境にまたがる山岳地帯を踏破したとき、朱徳のもっているあらゆる粘り強さと、決断力が思う存分発揮された。たえまなくふりそそぐ秋雨に濡れてびしょびしょになりながら、彼らは、もっぱら夜間に行軍し、昼は森…

湖南省南部をめざす朱徳の部隊 『偉大なる道』第6巻②ー9

「鉄軍」が汕頭でばらばらに粉砕されたのち、農民指導者彭湃は分散した兵士を集め、奥地の海陸豊地方へ連れていった。そこに、兵士たちが全部で2千人集まり、彭湃はこれをパルチザンやゲリラ隊に組織した。これらのパルチザンは、農民たちといっしょになって…

汕頭敗戦の悲報 『偉大なる道』第6巻②ー8

朱徳軍の救援にきた農民たちは、いくつかの大隊に編成された。自発的に担架輸送隊をつくりあげた5百人の女たちは、戦場の片付けに活躍した。彼女たちは、戦闘の最中も少しも恐れることなく働き、負傷者を背後の村々にはこんだ。そこにはさらに別の担架隊がい…

革命政府樹立のための汕頭攻略 『偉大なる道』第6巻②ー7

「鉄軍」の目となり、耳となり、伝令となり、補給や輸送の補助部隊となったのは、まさにこのような女たちだった。「鉄軍」が広東に達し、新しい革命政府をうちたてられるかどうかは、一切は速度にかかっていたので、参謀部は、敵の増援軍があらわれる前に、…

東江の農婦の民謡 『偉大なる道』第6巻②ー6

「そんな女たちが、悲しみにみちているが、戦闘的でもある民謡をうたうのをはじめてきいたときには、われわれの中にはすすり泣いているものもあった。その歌は十節からできていて、各節のはじめは、『いとしい人』という言葉ではじまっていた。それは『十の…

たくましい東江地方の女たち 『偉大なる道』第6巻②ー5

東江地方に入って、朱徳がまず注目したのは、女の数が非常に多いことであった。農民人口のたっぷり3分の2が女や娘たちで、彼女たちは、男と同じように、部隊へ米をはこび、渡し舟をあやつって部隊を渡河させ、あるいは手に武器をとって部隊と一緒に行軍した。…

彭湃に導かれて東江地方へ 『偉大なる道』第6巻②ー4

わが軍はすでに危険地帯にはいり、海岸にある敵軍から攻撃されやすい距離にはいっていた。いまや行動の迅速さが一切を決定する。夜中の1時に汀州を出発した彭湃は、「鉄軍」をみちびいて、彼の故郷である広東省東江地方へ向かって、真南へ強行軍をおこなった…

激しい戦闘後、福建省の汀州へ 『偉大なる道』第6巻②ー3

8月末にちかいころ、南江西の町、瑞金に近づいたとき、ついに朱徳の先鋒隊は、国民党軍二個師団の哨戒地帯に入った。この国民党軍は、そこからさらに南へ30マイル(48キロ)ほどの距離にある会昌に本部をおいていた。会昌との接触地点から、「鉄軍」は、四日…

江西省の農民の絶望的な生活 『偉大なる道』第6巻②ー2

南昌蜂起は敵の体制を混乱させてしまったので、「鉄軍」は、江西省の南端に達するまでは、まったく抵抗を受けなかった。地主たちは、まだこういう情勢をほとんど知らなかったので、平気でやってきて、朱徳の先鋒隊と穀物の取引でひどいかけひきをしたりして…

進軍途中で脱走する兵たち 『偉大なる道』第6巻②ー1

8月5日の夜明け、「鉄軍」の2つの縦隊は、たがいに10から20マイルの間隔をたもって並行しながら、南方、広東に向かって進軍を開始した。先鋒隊と呼ばれた朱徳の部隊は、東側の縦隊から二日行程ほど前方を進み、人民に対する工作をおこない、後続部隊のための…

土地革命のはじまり 『偉大なる道』第6巻①ー7

南昌の町は、いまや革命旗の海と化した。数万におよぶ人民と兵士が、どっと大集会に群れあつまり、演説する人のための演壇が10いくつもつくられた。蜂起の翌朝、共産党の緊急会議が召集された。陳独秀が党書記長の地位を追われ、瞿秋白(くはくしゅう)が選…

南昌蜂起決行 『偉大なる道』第6巻①ー6

一瞬、部屋の中が、死んだように静まりかえった。大きく笑いながら、客の方をふりかえった朱徳は、こういう乱れた時世には、いろんな噂が流れるものだ、そんな話はまったく信用できない、とうちけした。 「さあ、マージャンをつづけよう。流言飛語にいちいち…

南昌蜂起の夜の大宴会 『偉大なる道』第6巻①ー5

「われわれはまた、南昌の全警察力をあてにすることができた。警察は、軍官学校とともに、私の指揮下にあったからだ。しかし、私は、秘密会議に出かける前すでに、雲南軍から、軍官学校の1千3百名の全生徒を、各部隊に配置させるので、ただちに卒業させて、…

南昌蜂起の諸勢力 『偉大なる道』第6巻①ー4

「南昌の事情については、私がいちばんよく知っていたので、敵と味方を問わず、蜂起に関連してくるすべての諸勢力についての情報を、前線委員会へ報告するという仕事をあたえられた。調査する時間はほんの少ししかなかったが、私はすぐ、あらゆる情勢に通じ…

南昌蜂起計画の準備 『偉大なる道』第6巻①ー3

「われわれが、この新しい政策を実行に移す最初の行動は、南昌で『鉄軍』の武力蜂起をおこない、つづいて、この軍隊を広東へ進軍させ、新たに国民革命政府を樹立することであった。南昌蜂起は収穫期に合わせて計画した農民蜂起の合図となり、相呼応してたち…

共産党秘密会議に招かれた朱徳 『偉大なる道』第6巻①ー2

1927年7月18日、朱徳将軍は、ただちに任地を離れて、江西省北部の、南昌からそれほど遠くない小さな村でひらかれる共産党秘密会議に出席せよ、という招請をうけとった。その日の夕刻、ある大きな建物へ入ってゆくと、そこには共産党の主な指導者たちが多勢あ…

国民党の裏切り 『偉大なる道』第6巻①ー1

孫逸仙夫人は、国民党に対する歴史的宣言のなかで、中国人民に深い感銘をあたえた。 「わたしたちは、人民をあざむいてはなりません。わたしたちは、人民のあいだに、偉大な希望をそだてあげてきました。人民は、わたしたちに深い信頼をささげてきました。こ…

『偉大なる道』第5巻「大革命について」を読んで

この巻では、1926年から1927年7月中旬ぐらいまでの期間の軍閥と外国人支配に対する闘争が描かれている。 国民党右派、左派、共産党などの政治的確執は水面下。 蒋介石が北伐軍総司令官として台頭し、歴史に名を残していくプロセスがわかりやすい。 現在の中…