Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

『偉大なる道』序曲(改編)

大自然のなかの延安 『偉大なる道』序曲ー5

彼が私の仕事に協力してくれることになった最初の夕方、私の中国語教師であり、秘書と通訳をかねたリリー・チャンという若い女優と、私たちが住居としていた黄土の洞窟の前の露台で私は彼を待っていた。私が中国語を理解できないときや、朱将軍と私が部分的…

朱徳の人柄 『偉大なる道』序曲ー4

私たちの作業が伝記の真ん中ぐらいまできたとき、抗日戦がはじまり、彼は前線に出た。私も伝記本の作業は中止して、すぐに前線に向かったが、それはただ別の本を書く目的からだけではなく、行動する彼をできるかぎり観察したかったからである。そういうわけ…

朱徳から聞き取り開始 『偉大なる道』序曲ー3

私はアメリカ民謡の一行を思い出した。「銃で物盗りする奴もいりゃ、万年筆でやる奴もいる」しかし私はそれを口にしないで、すぐに彼の生涯についてあれこれとたずねはじめた。ひとつの問いに対して、彼は訂正した。彼の出身は富んだ地主ではなく、四川省の…

朱徳の第一印象 『偉大なる道』序曲ー2

身長は5フィート8インチ(173cm)ぐらいだろう。みにくくもなく、好男子でもなく、また英雄的とか烈火のごとしとかいう感じはまったくない。頭は丸く、短く切った黒髪には灰色がまじっていて、額はひろびろとしてやや高く、頬骨は張っている。強くがっしりと…

朱徳にまつわる伝説 『偉大なる道』序曲―1

これは、中国人民解放軍総司令官朱徳将軍の60歳までの生涯を記録した物語である。私がこの物語を書くことを朱将軍は許可してくれているが、公式の伝記というものではない。物語の舞台が遠い過去のものになっているために、また彼が、世界をゆるがしている中…