Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

『偉大なる道』第六感(改編)

敵の武器で武装する農民たち 『偉大なる道』第6巻④ー7

「『百姓殺し』」自ら、司令官になって指揮していることがわかったとき、農民たちは、棍棒から猟銃にいたるあらゆる武器で武装し、四方八方から、約千人が増援にかけつけてきた。彼らは、『百姓殺し』を生けどりにしたいとのぞんでいた。1週間にわたる戦闘で…

蒋介石軍の許克祥将軍による反撃 『偉大なる道』第6巻④ー6

朱徳軍の宜章占領後、湖南省南部と東部一帯に、革命の炎が燃え上がり、農民たちは土地の分配をはじめた。彼らは、つぎからつぎへと、朱徳の司令部をおとずれ、地主との闘争を援助してくれともとめた。朱徳は、幹部をえらんで農民につけて返すか、援兵として…

湖南省で最初のソビエトを組織 『偉大なる道』第6巻④ー5

夕やみがおとずれたころ、二個中隊の主な指揮官たちは、宜章の支配者たちと宴会で席をならべていた。彼らが食事をし、最上の酒で乾杯をかわしていたとき、二個中隊の兵力はびっくり仰天した民団を包囲していた。民団の処理をおわった二個中隊は宴会場を包囲…

宜章占領のための巧みな戦術 『偉大なる道』第6巻④ー4

城壁をめぐらした小都市宜章に近い宜章区に入ると、すぐ朱徳たちは、農民自衛隊と出会った。この自衛隊は2,3百人の兵力を持ち、18歳の青年、陳コウが指揮をとっていた。彼の話によると、彼の家族は、彼らが働いていた地主に殺されてしまい、生き残ったのは彼…

1927年冬の湖南省南部の農民たち 『偉大なる道』第6巻④ー3

まるで際限もなく沈黙がつづいたように思われたのちに、やっと、扉がすこし開き、そのすきまから老人が頭をのぞかせ、槍や、猟銃や、たぶん分捕り品のピストルや小銃で武装した百姓たちと、ささやきをかわす。老人は、扉を大きくあけて、夜の闇の中へ出てゆ…

湖南省での農民ゲリラの悲劇 『偉大なる道』第6巻④ー2

湖南省は、農民たちが「郷紳」と総称している、中国で最も残忍な幾人かの「虎地主」どもの領地として有名だが、このときすでに、農民の反乱は、湖南じゅうを震撼させていた。必死になった農民たちは、毎晩のように、闇にまぎれて、民団の哨兵をねらいうちに…

広東コミューン結成後の反革命テロ 『偉大なる道』第6巻④ー1

革命軍の分散した部隊が集結し、広東省北部の広東市から2,3日行程のところにあるショウ関市に達したときは、すでに12月半ばになっていた。そのとき、彼らがいた地方一帯には、民団と「軍閥軍」――国民党軍全体とそのほかの反動軍をひっくるめて、朱徳はいつも…

進軍途中で農民蜂起支援 『偉大なる道』第6巻③ー9

朱徳と彼の参謀は、数個中隊をひきいて南へ進軍をつづけた。彼らはまだ古い国民党の旗をかかげていたので、これを見た地主どもは、朱徳の軍隊が農民を鎮圧するためにきてくれたのだと勘違いして、どっと野蛮な歓声をあげてとびだしてきた。 そういう場合には…

桂陽会議後の土地革命の始まり 『偉大なる道』第6巻③ー8

湖南省南部と広東省北部から集まった党代表の桂陽会議は、3日間つづいた。それから代表たちは、12月の半ばに一斉に始まることになった蜂起の準備のため、それぞれの郷里へ帰っていった。会議の最終日、長い列をつくった農民の輸送隊が、范石生の司令部から、…

進軍途中で匪賊との戦闘 『偉大なる道』第6巻③ー7

この進軍についてかたった朱将軍の話は、まるで、不朽の名作『水滸伝』――すなわち血盟の兄弟の物語――の一節を聞いているような感じであった。革命が押しつぶされ、むかしからの抑圧的支配階級が復活し、権力を握ってからというものは、ふたたび国中に匪賊ど…

南昌蜂起のあと井岡山にはいった毛沢東 『偉大なる道』第6巻③ー6

異様なかっこうをしたいくつかの部隊が、歓喜の叫びをあげながら、近づいてきた。彼らは、十分な装備を身につけた約5百人の部隊で、南昌蜂起ののち、秋収蜂起を援助するために、毛沢東が指導して、湖南省へ進出した、漢口守備隊の一部であることがわかった…

第五路軍の范石生将軍からの使者 『偉大なる道』第6巻③ー5

「大余で、われわれは、部隊を5つの分隊に再編成した。この各分隊に一人ずつの政治指導者をつけ、部隊の政治教育と、できるだけ多くの隊員を入党させる義務を負わせた。旧式の軍の指揮系統をやめて、直接指揮の体制にかえた。軍は工農革命軍と改称した。しか…

全軍崩壊寸前から見出した希望 『偉大なる道』第6巻③ー4

「私は、全軍が崩壊してしまうのではないか、と心配した」遠くすぎさった光景を思いおこすように、朱将軍は語りつづけた。やっと、この大量逃亡はしだいに小きざみになり、そして、ついに終わった。あとに残ったものは、およそ9百人足らずだった。みな汚くよ…

敗北主義者との決別 『偉大なる道』第6巻③ー3

朱将軍は敗北主義者を納得させることはできず、彼らはいぜんとして、ひそかに軍紀をみだすたくらみをつづけた。しかし、朱将軍は、その後の20年間、中国の歴史をきずきあげた多くの若い将校たちからは支持されていた。たとえば、林彪、陳毅、チョー・ツェー…

敗北主義者への反論と覚悟 『偉大なる道』第6巻③ー2

「これに対して、私はこう答えた」と朱将軍はいった。「諸君の反革命に対する分析は正しい。だが、諸君の結論はまったくまちがっている。だから諸君の主張を承認することは、革命に対する反逆にほかならない。反革命勢力になんらかのつながりをもつ数少ない…

敗北主義者とのたえまない議論 『偉大なる道』第6巻③ー1

この小さな革命軍が、福建、江西、広東三省の省境にまたがる山岳地帯を踏破したとき、朱徳のもっているあらゆる粘り強さと、決断力が思う存分発揮された。たえまなくふりそそぐ秋雨に濡れてびしょびしょになりながら、彼らは、もっぱら夜間に行軍し、昼は森…

湖南省南部をめざす朱徳の部隊 『偉大なる道』第6巻②ー9

「鉄軍」が汕頭でばらばらに粉砕されたのち、農民指導者彭湃は分散した兵士を集め、奥地の海陸豊地方へ連れていった。そこに、兵士たちが全部で2千人集まり、彭湃はこれをパルチザンやゲリラ隊に組織した。これらのパルチザンは、農民たちといっしょになって…

汕頭敗戦の悲報 『偉大なる道』第6巻②ー8

朱徳軍の救援にきた農民たちは、いくつかの大隊に編成された。自発的に担架輸送隊をつくりあげた5百人の女たちは、戦場の片付けに活躍した。彼女たちは、戦闘の最中も少しも恐れることなく働き、負傷者を背後の村々にはこんだ。そこにはさらに別の担架隊がい…

革命政府樹立のための汕頭攻略 『偉大なる道』第6巻②ー7

「鉄軍」の目となり、耳となり、伝令となり、補給や輸送の補助部隊となったのは、まさにこのような女たちだった。「鉄軍」が広東に達し、新しい革命政府をうちたてられるかどうかは、一切は速度にかかっていたので、参謀部は、敵の増援軍があらわれる前に、…

東江の農婦の民謡 『偉大なる道』第6巻②ー6

「そんな女たちが、悲しみにみちているが、戦闘的でもある民謡をうたうのをはじめてきいたときには、われわれの中にはすすり泣いているものもあった。その歌は十節からできていて、各節のはじめは、『いとしい人』という言葉ではじまっていた。それは『十の…

たくましい東江地方の女たち 『偉大なる道』第6巻②ー5

東江地方に入って、朱徳がまず注目したのは、女の数が非常に多いことであった。農民人口のたっぷり3分の2が女や娘たちで、彼女たちは、男と同じように、部隊へ米をはこび、渡し舟をあやつって部隊を渡河させ、あるいは手に武器をとって部隊と一緒に行軍した。…

彭湃に導かれて東江地方へ 『偉大なる道』第6巻②ー4

わが軍はすでに危険地帯にはいり、海岸にある敵軍から攻撃されやすい距離にはいっていた。いまや行動の迅速さが一切を決定する。夜中の1時に汀州を出発した彭湃は、「鉄軍」をみちびいて、彼の故郷である広東省東江地方へ向かって、真南へ強行軍をおこなった…

激しい戦闘後、福建省の汀州へ 『偉大なる道』第6巻②ー3

8月末にちかいころ、南江西の町、瑞金に近づいたとき、ついに朱徳の先鋒隊は、国民党軍二個師団の哨戒地帯に入った。この国民党軍は、そこからさらに南へ30マイル(48キロ)ほどの距離にある会昌に本部をおいていた。会昌との接触地点から、「鉄軍」は、四日…

江西省の農民の絶望的な生活 『偉大なる道』第6巻②ー2

南昌蜂起は敵の体制を混乱させてしまったので、「鉄軍」は、江西省の南端に達するまでは、まったく抵抗を受けなかった。地主たちは、まだこういう情勢をほとんど知らなかったので、平気でやってきて、朱徳の先鋒隊と穀物の取引でひどいかけひきをしたりして…

進軍途中で脱走する兵たち 『偉大なる道』第6巻②ー1

8月5日の夜明け、「鉄軍」の2つの縦隊は、たがいに10から20マイルの間隔をたもって並行しながら、南方、広東に向かって進軍を開始した。先鋒隊と呼ばれた朱徳の部隊は、東側の縦隊から二日行程ほど前方を進み、人民に対する工作をおこない、後続部隊のための…

土地革命のはじまり 『偉大なる道』第6巻①ー7

南昌の町は、いまや革命旗の海と化した。数万におよぶ人民と兵士が、どっと大集会に群れあつまり、演説する人のための演壇が10いくつもつくられた。蜂起の翌朝、共産党の緊急会議が召集された。陳独秀が党書記長の地位を追われ、瞿秋白(くはくしゅう)が選…

南昌蜂起決行 『偉大なる道』第6巻①ー6

一瞬、部屋の中が、死んだように静まりかえった。大きく笑いながら、客の方をふりかえった朱徳は、こういう乱れた時世には、いろんな噂が流れるものだ、そんな話はまったく信用できない、とうちけした。 「さあ、マージャンをつづけよう。流言飛語にいちいち…

南昌蜂起の夜の大宴会 『偉大なる道』第6巻①ー5

「われわれはまた、南昌の全警察力をあてにすることができた。警察は、軍官学校とともに、私の指揮下にあったからだ。しかし、私は、秘密会議に出かける前すでに、雲南軍から、軍官学校の1千3百名の全生徒を、各部隊に配置させるので、ただちに卒業させて、…

南昌蜂起の諸勢力 『偉大なる道』第6巻①ー4

「南昌の事情については、私がいちばんよく知っていたので、敵と味方を問わず、蜂起に関連してくるすべての諸勢力についての情報を、前線委員会へ報告するという仕事をあたえられた。調査する時間はほんの少ししかなかったが、私はすぐ、あらゆる情勢に通じ…

南昌蜂起計画の準備 『偉大なる道』第6巻①ー3

「われわれが、この新しい政策を実行に移す最初の行動は、南昌で『鉄軍』の武力蜂起をおこない、つづいて、この軍隊を広東へ進軍させ、新たに国民革命政府を樹立することであった。南昌蜂起は収穫期に合わせて計画した農民蜂起の合図となり、相呼応してたち…