Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

アジア図書館と語学書

アジア図書館の運営を離れて長いが、ホームページによると現在も広い場所を借りてある程度の蔵書は閲覧できるように並べてあるらしい。

ここの図書のすばらしさを知っている者の一人として、すべての蔵書が閲覧できる場所があればどんなにいいだろうかと思う。


個人的には、会員に貸出しもするが、図書館というよりもアジア図書関連博物館としてやっていくのもおもしろいように思っている。

紙の本は時間とともに劣化していく運命から免れないし、ネット時代の便利さを思うともう古いと部外者は考えているところ。

 

さて、アジアの言語の中で日本人が一番学習しやすいのは何語と思うかと問われれば、Koreanだと思う。

当時は韓国がもし漢字使用を止めていなかったら、もっと日本人から見ればなじみやすい言語になっていただろうと考えていたが、最近はそうでもないような気がしてきた。

一長一短があるのだろう。


はるか昔に大学の第二言語でドイツ語を勉強したことがあるが、あの労力の何分の一でそこそこ話せるようになるんじゃないかな。

社会にあった偏見が学習者を選んできた言語だ。

 

コロナ禍のために海外旅行ができにくくなってきたが、それまでは気軽に韓国へショッピングに出かけたり、韓流ドラマや韓流スターを追いかけたりする時代になって、娘の高校時代の友人の何人かはKoreanを好きで楽しんでいた。

一昔前の偏見がないので、上達が早い。

耳から学習しやすい環境も整ってきたというのも大きい。

ただし、本人たちは英語の方もかなり出来る。

語学習得の感性ってやっぱりあるのかな。

 

以前の記事でアジア図書館の蔵書は地域・国ごとに配架されていると書いたが、例外があった。

各国の言語関係の資料(日本十進分類法では800番代の本)は一箇所にまとめて並べていた。

冊数が多かったことと、語学スクールも運営していたことが関係していたかも知れない。

これは今も変わらないのではないかな。

繰り返すが、アジア図書館の蔵書は市中に出回った古本か市民の寄贈本なので、偏りは否定できないが、世に出回った出版物の傾向は読めると思っている。

国別に壁一面天井近くまでずらっと並ぶので圧巻であった。

あの棚の姿は忘れられない。

あんなふうに並ぶと、過去において国内でどこの国の言語のテキストが多く発行されたかが一目でわかった。

何語が多いか? そう、中国語。
少しかじった程度の人を含めて、中国語の学習者は多かったはず。

意外に多いと思ったのは、日本語関係の実用書であった。

論文、作文、文章、日本語の書き方の類の本で、小説、エッセイ、短歌、俳句の作り方の本を加えると多い。

韓国・朝鮮語も少なくはなかった。

大学図書館の蔵書と比べても見劣りするものではなかったと記憶している。

「韓流ブーム」なんて想像もしなかった時代、アジア図書館の蔵書として登録される前の所有者がどんな人であったかを考えると興味深い。

どういう人たちだったのかな。

東南アジア各国の語学書は「アジアブーム」に乗っかるようにさかんに出版されていたが、古本として持ち込まれる数はまだまだ少なかった。

ゆっくり探せば、貴重な戦中戦前の出版物もあるはず。

年代の古いものは、語学テキストというよりも「読みもの」として手に取ると、発見することがありそうだ。

英語やエスペラントのテキストももちろん蒐集している。

私には、語学関係の本棚は、日本社会がアジア各国の言語にどう向き合ったかを表現していたように感じる。