Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

雲南軍蜂起 『偉大なる道』第2巻④ー4

 「じつにたいへんな混乱がおこった。騎兵たちは、やたらに駆けまわって、むちゃくちゃに射ちまくり、わが方の騎兵がこれを狩り立てていた。兵隊は走りながらわめいていた。わが方の哥老会の兵は、騎兵連隊内の血盟の兄弟にむかって、やってこいと呼びかけた。何人かが投降したかと思うと、また脱走したり、それからまたもどってきて投降したりした。あるものは、空中に発砲しながら、狂人みたいに闇の中に馬を突っ走らせた。この混乱の最中に、首都の北の方から大砲のひびきが聞こえてきた。われわれは、四川人連隊がすでに攻撃を開始していることを知った。最後の命令を出したとき、われわれの指揮官たちは、四川人連隊は北門からたった1マイル(1.6キロ)のところにあり、われわれは5マイル(8キロ)も離れていることを忘れていたのだ。だから、攻撃の時間がそろわなかったわけだ。ところで、われわれは、軍官学校の候補生の一団に銃をかくし持たせ、市内に潜入させていたが、本隊が到着するまで南門の近くで待機し、到着と同時に戦闘を開始し、城門をあけて迎え入れるという命令があたえてあった」

 

 いよいよ革命軍は雲南府に向かって急進撃をはじめ、やがて市に近づいてみると、城壁の上に、旧式軍の大軍勢の黒い影がうごいていた。彼らは、発砲はしないで、城壁からのぞきみおろしながら、叫んだ。

「何ごとだ?」

 

 その瞬間、南門の内側でピストルの音がした。潜入した候補生だ。しかも城壁上の部隊は一発もうたず、いぶかしげに待機していた。たちまち、古く重々しい城門の扉がさっと開いて、革命軍がなだれこみ、各部隊は、市内の各戦略的要所を占拠せよとの命令を受けていた。しかも、城壁上の旧軍は発砲せず、そのまま武装解除された。たちまち、すべての公共建築、その他の戦略的要所は占領された。ただ、兵器廠だけは激戦になったが、革命軍の砲手が入口を破壊して、味方に兵器弾薬を配給しはじめた。

 

 漆黒の闇だったので、だれも敵と味方を見わけることができなかった。蔡将軍は、「各部隊は夜明けまで各自の部署を守れ」と命令した。