Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

山岳地帯での人狩りを逃れて 『偉大なる道』第3巻④ー5 

 長年の同志と別れたあと、朱将軍の一行は、北雲南の深い山岳地帯を強行軍した。羅将軍は、保護を求めた際に、北方組のとった道を教えた。ホァ・フェン・クォは、騎兵大隊に追跡させ、また多額の賞金をかけて捕らえようとした。

 

 おそるべき人狩りがはじまった。夜は野宿し、未明から深夜まで強行軍をしながら、逃亡者たちは、とうとう金沙江に達することはできたが、どうしても渡し舟が見つからなかったので、追跡をふりはらって西康省に逃げこむことができなかった。一団は、二つにわかれて渡し舟をさがすことになり、高くけわしい山道を、はるか眼下に暗黒の深淵に氷のような激流がくだけるのを見おろしながら、伝っていった。

 

 朱徳の一行が、先に渡し舟を見つけ、護衛兵を残りの連中に道を教えるために引き返させてから、江をわたった。その連中もやがてたどりついてきて、わたりはじめた。6人の指導者と少数の護衛兵だけをのこして、他のものみながわたりおえたとき、敵の大隊が追いついてきた。短時間の死闘があり、彼らはみな、殺されるか捕らえられた。

 

 先に渡ったものは、西康省に入っていたのだが、敵もまた江をわたり追跡してきた。しかし、この地方はレイ・ユン・フィという土匪の首領が支配しており、その小王国は江岸から北に騎馬行程で5,6日の会理にまでのびていた。亡命者たちは、まもなくレイの境界守備隊と出会ったので、「自分たちは亡命者であるが、首領にお目にかかりたい」と申し込んだ。領域を守ることに忠実な守備隊は、亡命者にむかって、「誰かが先に急いで行って首領と交渉し、他のものは後からゆっくり行け」と命じ、われわれが侵入する敵を追い払う、といった。