Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

敗北主義者とのたえまない議論 『偉大なる道』第6巻③ー1

 この小さな革命軍が、福建、江西、広東三省の省境にまたがる山岳地帯を踏破したとき、朱徳のもっているあらゆる粘り強さと、決断力が思う存分発揮された。たえまなくふりそそぐ秋雨に濡れてびしょびしょになりながら、彼らは、もっぱら夜間に行軍し、昼は森の中でねむった。行軍しているときも、休止しているときも、部隊を解散したいと望んでいるものと、あくまでも革命闘争を続けようと主張するものたちとのあいだに、たえずはげしい論争がくり返された。

 

 「敗北主義者の主張は、ブルジョア階級はふたたび革命を裏切り、そのうえ、封建的郷紳や外国帝国主義勢力と同盟をむすんだ。この勢力はあまりにも強大だから抵抗できない、というわけだった」と朱将軍は当時を回想しながら、語りはじめた。「反革命軍の傭兵的性格と、将校の出身が地主や軍閥であることが、反革命の力をいっそう強め、国内情勢は、大革命がはじまったころよりももっと悪くなった。数千の党員が殺され、あるものは闘争を放棄し、さらには敵陣に参加するものすらあった。数万の労働者や農民が殺された。彼らは、党の書記長陳独秀と、陳の政策を支持したもの全員を、この惨害の責任者だと考えた。その連中はいまでは、少数のトロキスト派を構成し、国民党となんら変わらないような宣伝をして、共産党を攻撃している。彼らの議論によると、上記のようなあらゆる不幸な要因があまりに強大であるから、これ以上革命闘争をつづけることは、どうみても純然たる冒険主義にすぎない、というのだ。