Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

進軍途中で農民蜂起支援 『偉大なる道』第6巻③ー9

 朱徳と彼の参謀は、数個中隊をひきいて南へ進軍をつづけた。彼らはまだ古い国民党の旗をかかげていたので、これを見た地主どもは、朱徳の軍隊が農民を鎮圧するためにきてくれたのだと勘違いして、どっと野蛮な歓声をあげてとびだしてきた。


 そういう場合には、朱将軍は次のような策略をもちいたので、その後20年間も、国民党の新聞は朱将軍のことを、「狡猾で背信的な匪賊の頭目」と呼んだ。朱将軍は、重大問題を熱心に聞くときには、いつも、両脚を大きく開いてすくっと立ち、両手を腰のうしろにまわしてぎゅっと組むのが、長いあいだの習慣になっていた。そういう姿勢で、朱将軍は、地主どもが、彼の軍隊をつかって、軽蔑すべき農民の反乱を粉砕してくれ、と熱心に懇願するのを、じっと聞いていた。


 朱将軍はこう質問した。――地主の家族の男たちが腰にぶらさげている自動ピストルは別として、彼の民団は、小銃やその他の武器をどれだけもっているのか? これまでに農民を弾圧するのにどういうことをしたのか? また何人殺し、何人牢獄にぶちこんだのか? 国民党軍から軍事的援助を受けるために、どういう手段をとったのか?

 

 これらの質問にたいする回答をすべて聞いたあと、地主の傭兵を連れてこさせて、査問した。そして民団と彼らの御主人たちが、気をつけの姿勢でつったっているあいだに、朱将軍は彼らを武装解除してしまい、その武器を農民にあたえ、地主たちと民団を農民裁判へ引きわたした。