Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

敵の武器で武装する農民たち 『偉大なる道』第6巻④ー7

 「『百姓殺し』」自ら、司令官になって指揮していることがわかったとき、農民たちは、棍棒から猟銃にいたるあらゆる武器で武装し、四方八方から、約千人が増援にかけつけてきた。彼らは、『百姓殺し』を生けどりにしたいとのぞんでいた。1週間にわたる戦闘でわが軍の主力が敵の主力を攻撃していたあいだ、農民たちは、敵の輸送隊をせん滅し、バラバラになった敵兵を、まるで、豹のようにかりたてた。敵の一個大隊が木の橋をわたって逃げようとしたとき、とつぜん、橋が崩れ落ち、川に投げこまれてしまった。農民たちは、川の上下から、敵兵を駆り立て、水中に落ちたものはねらいうちにし、岸にはいあがってきたものはたたき殺した。戦闘の混乱のさなかに、『百姓殺し』」は小舟の底に身をひそめて、疾風のように川をくだって逃げてしまった。このことを知ったとき、農民たちは、すっかり悲観した。彼らの多くは泣いてその悲運をのろった。しかし、この戦闘で獲得した立派な小銃で、2千人の農民が武装することができた。

 

 「われわれは、『百姓殺し』が司令部にしていたシーピンを占領したとき、まるまる一個師団分の軍需物資や食糧、現金を見つけ出した。大通りには、障害物が山のようにつみあげてあったので、われわれは、この補給物資をのりこえて進まねばならなかった。われわれが捕獲した火器は、わが第二連隊全部を上等の小銃と軽機関銃武装させるに十分なほどだった。

 

 「私は、数個部隊を派遣して、『百姓殺し』が占領していた宜章に向かってにげてゆく敵の一個を追跡させた。この敵隊は、まっすぐ町を通り抜け、そのさい、市の守備隊もいっしょにつれて、わが軍に追われながら、西方の山岳地帯に逃げこんだ。しかし、そこの山地にいた農民たちと、追跡したわが軍は、彼らの運命の息の根をとどめた。これで農民たちは、さらに5百の小銃を獲得することができた」