Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

毛沢東が提案した決議 『偉大なる道』第7巻②ー8

 大衆の武装力である紅軍だけが、中国人民のこの貧窮と従属に、革命的な解決をもたらすことができる、と毛沢東は言明した。しかし、この目的を達成するためには、紅軍に一定の改革をおこなうことが必要である。彼が将来の政策について大会に提案した決議は、朱徳そのほかの指導者たちと長時間にわたって協議したうえでつくられたものであった。

 

 まず第一に、軍と党の上級機関が決定をおこない、そのあと兵士たちのあいだで十分な理解と承認が得られるまで、これらの方針を討議させることが必要だ。こうすることによって、多くの軍事的敗北をもたらしたてきた、これまでのやり方を逆転させることができる、と毛沢東はいう。

 

 第二に、紅軍内の「絶対的平等主義」はやめなければならない。なぜならば、これも不統一をもたらし、しばしば敗北をもたらしてきたからだ。これまで、紅軍は、食糧衣類の分配、荷物の運搬、宿舎の分配とその順位、さらに馬の使用に関してありとあらゆる差別待遇に反対してきた。彼らは、病人や負傷者にたいする特別な食事にさえ反対し、まただれであろうと、みな年齢や性別あるいは肉体的能力を無視して、同じ分量の荷物をかつぐことを主張し、だれであろうと、馬にのる指揮官は非民主的であると批判した。

 

 食糧と衣服は、兵士と指揮官とのあいだでは平等に分配し、またそうするべきだ。しかし、病人と負傷者には特別な配慮が必要だ、と毛沢東はいった。人は誰でもほかの人とまったく同じ重さの荷物をかつげるとは限らない、そういうことは、能力に応じて決定されなければならない。軍の中のある組織は、任務を遂行するためには、一般よりも大きな宿舎やより多くの要員を必要としている。あるいはまた、馬に乗って移動した将校は、夜になって兵士たちが眠りについてからもずっとおそくまで仕事をしている。

 

 毛沢東は、紅軍内のインテリたちが彼らの「観念論的」傾向を克服するよう、主張した。こういう人たちは、社会問題、軍事、政治問題を具体的に研究し、事実にもとづいて結論に達することをしないで、自分たちの頭の中だけで抽象的理論をこねあげている、と彼はいう。

 

 大会は毛沢東の決議を採決した。それから、紅軍代表者たちはそれぞれの部隊に帰って、全体会議をひらき、決議が承認されるまで討議をつづけた。

 

 朱将軍は、この改革の結果、軍隊はいちじるしく強化され、江西省の中部と南部全体を解放することができるようになるだけでなく、かつて失った福建西部の多くの城市もふたたび占領することができるようになるだろう、と考えた。

 

 中央ソビエト区として知られているこの地域は、その後、しだいに拡大し、江西福建両省の大部分を包含するようになった。