Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

『偉大なる道』第7巻「上杭の歌」を読んで

はるか昔、テレビで放送されたドキュメンタリー番組で観た、毛沢東天安門から中華人民共和国の建国を国内外にむけて宣言するシーンが印象に残っている。
その天安門を囲むように、一様に見える若い男女が身動きとれないほど陶酔して群らがっていた。

数の多さと熱気に圧倒されると同時に、「これだけの人をいったいどこから動員してきたのか」とどこか覚めた感想ももった。

 

この巻では土地の分配を通して農民の支持を得る道筋が描かれ、建国時の若者の熱気の一部を理解する手立てになった。

 

中国の近代史に興味をもつまでは、中華人民共和国が建設されてはじめて農民への土地分配が強行されたと考えていた。

 

気になるキーワード

 

文盲 

紅軍の若者がたいてい文盲だったらしいが、日本では中国ほど文盲はいなかったように思うが。朝鮮半島もそうだ。平仮名、カタカナ、ハングルの存在のせいか。

中国の文盲対策は大変。毛沢東は漢字をやめてアルファベットの導入も考えていたようだ。
庶民から見れば漢字修得のハードルは高かった。

これに成功したのはベトナムだ。韓国や北朝鮮も?

 

過去の教訓

過去の中国軍、蒙古軍、大平軍が使った戦術を紅軍は活用した。

 

日本製の兵器工場

 

日本製のミシン

軍閥から取り上げたミシンがどこのメーカーだろうかと調べてみたが、ブラザーかな?

長征のときも職人がミシンをかついで参加し、紅軍兵士の制服を縫った。

ミシンがもたらした恩恵は大きい。

 

彭徳懐の実践 

朱徳毛沢東と分かれてから悲惨な状況をくぐりぬけて、合流するためにふたりを探すが見つからず、とうとう殺されたと判断した。

彭徳懐のすごいのは、あきらめず自分で紅軍をつくったところ。

歴史が英雄をつくることを再認識。

 

タングステン鉱山

外国が侵略してくる本来の動機は天然資源の争奪?

 

トロッキスト

この種の専門用語は苦手だ。  

 

朱毛に鼓舞される農民 

朱徳の夫人の康克清も紅軍に入るまで、伝説上の人物「朱毛」はただひとりの人物だと信じていたと。

伝説上の人物「朱毛」が起こす奇跡は、聖書に出てくる奇跡の描写に似ていて、イエス・キリストのこともあれこれ考えさせられた。

スメドレーは福音書を残したマタイやルカと純粋な動機というところで重なる?

 

杜甫

朱徳杜甫が中国最大の古典的詩人という。

文字をもっている民族の強み。

 

囚人の解放

囚人には二通りあると。

 

福建省と日本軍

この巻あたりから、日本軍の圧力行為が登場してくる。

 

マラリア

毛沢東周恩来も一度はかかって生死をさまよった。

朱徳の病気知らずの身体が際立つ。

 

林彪 

この人をどう評価していいのかわからない。

朱徳の信頼があつい参謀のひとり。功績は大きい。
建国後の飛行機墜落事故云々はよくわからない。

どういう人だったのかな。

 

土地事情の調査

毛沢東によって、農民に土地を分配するために実施。

韓国併合後の有名な土地調査事業も農民から土地を取り上げると

いう形にはなったが、本来は税収入を効率よく整然ともっていくための

植民地行政の政策と考えているが。

結果的に既得権益をもっていた階級を没落させた?

 

康克清 

朱徳の最後の夫人だけれど、さほど海外で紹介されることはなかったら

しい。射撃の名手で、長征ものりきった強者だ。

毛沢東の最後の夫人江青の方が有名になってしまったし、海外のメ

ディアもこの女性を叩くと活字も映像も売れるし、実際何かと話題を

まいてくれた。
    

李立三路線との対立

革命運動の拠点を農村から工業地帯に移すという李立三の方針と朱徳たちは対立。
 

農民と工業労働者

スメドレーによる両者の特質の考察が興味深い。

         

次の第8巻は、外国に後押しされた蒋介石の紅軍への圧迫が最高潮に達し、農民の支持を受けた紅軍は、いよいよ長征への助走の展開になっていく。