Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

自国民を裏切る反逆者についての考察 『偉大なる道』第9巻④ー15

 朱将軍はこんなふうに答えた。中国は百年のあいだ帝国主義列強の半植民地であった半封建の国だ。この1世紀の間、中国の政府は西欧帝国主義の卑しい道具だった。北京や南京や上海は、国の利益を最高入札者に売りわたそうとする反逆的陰謀の策源地だった。

 

 確かに中国には、革命途上のほかの国より多くの反逆者がいる、――と彼は認めたが、それは中国の領土や人口が大きいからだという。

 

 「アメリカも革命戦争の時には多数の反逆者を出した」と、私に思い出させた。「そのことは学校では教えないだろうが、あなたの国の解放戦争では、大勢のアメリカ人が、イギリスの暴君に積極的に奉仕した。スペインをヒトラームッソリーニに売りわたしているフランコやその手下どものことを考えるといい。資本主義列強に身売りして、十月革命のあいだ自国の人民と戦った白系ロシア人のことも考えるといい。インドや朝鮮の状態をみるといい。世界中を見わたしてみなさい。権力と金のために、いつでも自国民を裏切る連中が、どこにもいることがわかるだろう。

 

 「われわれの党も反逆者を出した。中国の革命は長距離をゆく列車のようなものだ。途中で降りるものもあり乗りこんでくるものもある。だが大部分のものは終着駅まで乗ってゆく。張国燾は右翼機会主義者の政策についていって、わが軍に重大な損害をもたらした。しかし、わが党の正しい指導と、わが軍隊の政治的自覚と忠誠が、結局彼の政策を正し、軍と党を強化した。張のような人間が、さらに多くの人々を殺すかも知れないが、歴史の流れを変えることはできない。わが党とわが軍は、革命の勝利を実現するだろうし、それはあらゆる植民地の抑圧された民衆に、いや全世界の民衆に影響を及ぼすだろう」