Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

アメリカの軍事使節団、延安へ 『偉大なる道』第11巻③ー2

 5月の末に黄河をわたって、共産地区に入った。彼らは、3、4人のはにかみがちな若い八路軍兵士に会い、王震将軍の司令部に案内された。彼は南泥湾地区を国民党と日本軍の攻撃からまもるため、3年前に前線からここに移された旅団の指揮官であった。

 

 この外国人特派員の視察旅行から3つの本が出ているがーーハリスン・フォーマンの『赤い中国からの報告』、ガンサー・スタインの『赤い中国の挑戦』、イズレイル・エプスタインの『中国の未完成革命』――どれも南泥湾地区のことを畏怖に近い言葉で記述している。以前は荒涼たる荒地だった3万4千エーカーが、今では穀物や野菜のみごとな畑になった。丘の傾斜には新しい穴居が点々とつらなり、山西戦区から避難してきた何千の農民が、新しい村に住んでいた。合作社や小工場や学校がにぎわっており、山腹では羊や山羊の群れが草をはんでいた。これら古強者の特派員たちも、戦争になって以来、衣食の足りた中国の軍隊や農民を見たのは、これがはじめてであった。また、読み書きのできる兵隊や一般人に会って話しをしたのも、これがはじめてであった。

 

 6月6日、一行が延安に出発する間際、王震将軍が司令部から飛び出してきて、別れを告げに集まっていた兵隊たちに向かってさけんだ。

 

 「連合国がノルマンディーに上陸した! 第二戦線が始まった! ファシズムを打倒せよ! 日本帝国主義を打倒せよ!」