Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

蒋介石の米ソ戦への思惑 『偉大なる道』第12巻②ー2

 クリスチャン将軍馮玉祥がそれから2年後の米国滞在中に話したことだが、蒋介石は馮やその他の国民党要人たちの前で、アメリカを日本と戦うように仕向けたのは自分だから、今度はソビエトと戦わせることができる、と自慢したという。蒋介石はまた、中日戦争はこれから内戦に変わり、それはつぎに米ソ戦に転ずるだろう、そこで米国の勝利――彼はそれを当然のことと考えているが――の副産物として、蒋と彼の政権の中国支配がそのままつづく、といったとも伝えられる。

 

 しかし、重慶の『新華日報』の態度はまったく別だった。

 

 「われわれは、過去8年間ソビエト同盟が与えてくれた物質的援助と精神的激励を決して忘れないだろう……われわれの民族解放、自由、そして民主主義のための運動において、今日ほど好条件にめぐまれた時期は、いまだかつてなかった。われわれはわずかな時間をおしんで全国民主勢力の統一に努め、それによって内戦に反対し、民族統一を強化し、ファシズム絶滅のための戦争努力を増強しなければならない。最後の勝利は、大衆のものであり、自由な民主的な新中国のものである」