Out of Far East

東アジアの文化歴史の個人的覚書

日韓併合時代をえがく韓国ドラマ「黄金時代」

もう十数年前に観たドラマだったけれど、とてもおもしろかった。

きっかけは、ネット上で日韓併合時の朝鮮半島や日本本土が描かれている珍しいドラマと知ったからだった。
途中で挫折した「チャングムの誓い」と違い、全20話とそんなに長くないので、とりあえず1巻借りてみた。
「はまる」とはこういうことかと自覚しながら、とうとう最終話まで観た。

友人にもすすめると、いいものを紹介してくれたと当時感謝された。


1927年、釜山から日本に向かう船の中で出会った同い年のクァンチョルとジェフンは、身分の差を越えた友情を育んでいた。しかしそんな2人を快く思わないジェフンの父親ヨンホにより、いつしか2人の仲は引き裂かれてしまう・・・。父親のジンテが京城銀行頭取のビョンイクを殺害する事件を目撃してしまったクァンチョルは、長年そのことで苦しむが、皮肉にも彼の娘であるヒギョンをやがて愛するようになる。10数年後、それぞれの道を歩んでいたクァンチョルとジェフンに、感動の再会が訪れるが・・・。(韓国ドラマ「黄金時代」オフィシャルサイトから抜粋)

 

よくできたドラマだと思った。

ちょっと原罪をテーマにした三浦綾子の『氷点』や松本清張の小説と重なる雰囲気をもっていると思った。

人間は生きているかぎり、その時代の社会的、歴史的な事柄に影響を受けているのだから、こういう背景を抜きにしたドラマは、私には物足りなくて楽しめない。

このドラマを通じて、社会的、歴史的な背景のもとに繰り広げられる人間ドラマが好きなんだという自分の趣向を再発見した。

 

このドラマは韓国は2000年から2001年にテレビで放映され、高い視聴率を取ったという。
私の周辺でもかなり高齢女性のファンが多かった『冬のソナタ』の前年の作品だ。

日本では『冬のソナタ』はかなり評判がよかったらしいが、私は見ていない。

このドラマには、たとえば瓜二つの別人が出てくるというようなありえないことがよく起こると聞いていたし、子育てで一番大変な時期でもあって、結局見る機会がなかった。

題名からかなり甘そうだなとは思ってきたが。

 

さて、この「黄金時代」では関釜連絡船は出てくるし、釜山港下関港の光景、在日一世の原型のような男、戦中の様子を観ていると、いろいろ考えさせられることが多かった。

完全に「時代考証」されているとはいえないにしても、私がそれまで写真や残された記録だけで築いているイメージよりはるかにリアルに展開してくれた。

釜山港のチケット売り場とか関釜連絡船の船底の様子とか。

かわいい子役たちの演技もうまい。
出身階層が違うチェフンもカンチョルもどっちも味わいがあってよかった。
特に、カンチョルにはあの服装のまま家に来てもらって、ごはんをいっぱい食べさせてあげて、「おばあさん、おいしいよ」といってもらいたい妄想の世界に入っていきそう。

ああいう子役に弱いことも自覚している。

韓国女性が陰の主人公を演じているのだが、控えめで情熱的な演技に惹かれるものがあった。
「あんなとこで写真を拾うかな」とか、「あんなとこで会うかな」というようなシーンもあるし、冷静に考えたらありえない話なのだが、感情移入しているうちに、絡み合いそうにない登場人物達が、いつのまにか自然に絡み合っていることに気がつく。
そんなドラマだった。